<2015-漫-6>『HATESATE 2 Transfer Ticket gate』、『HATESATE 5 DOPPEL』

よくヴィレッジヴァンガードで見かける四つ目のウサギ(クマだと思っていた)で有名な、BRIDGE SHIP HOUSEというイラストを中心にあれこれこなすクリエイターが出版している漫画のシリーズなのかな、これは、の『HATESATE』の2号と3号を友人から借り受け読んだ。

まず読む前に注目されるのが、装丁の凝り具合。判や紙の種類、色、インク、綴じ方等に趣向が凝らしてある。ほかのHATESATEがどんな具合かわからないけれどもグレースケールの本を蛍光色の糸で留めている。2号の表紙に、"New Art Comic"という表記があるが、そういった自負のある、非常にお洒落な作りになっている。

シナリオはつまらなくはなく、かといって特別面白いわけでもないのであるが、彼女(もしくは彼?)の作品で最も着目すべきはシナリオではなく、頁の使い方、コミック・ブックとしてのあり方であろう。2号の方は大判で、リニューアル前の『広告』と同じ判。その大きな紙面に、細かく均等にコマを配置したり、始めに全体の構図ありきでコマを配置したり、頁ごとに大きく"BRIDGE SHIP HOUSE"と凝ったロゴを配置したりと、1頁1頁が独立した1枚のイラストレーションとすることを意識している。そのため読み難くもある。5号は横長の判を用いて、ストーリー重視の作品で、読みやすい。ちゃんと正統派マンガもかけますよという感じか。 ともかく、お洒落である。

 

ひょっとして、「船橋」さんなんだろうか?